スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

豊浜トンネル岩盤崩落事故から20年

久々の更新となります。

1996(平成8)年2月10日、余市町と古平町にまたがる国道229号・豊浜トンネルで発生した岩盤崩落事故から、きょうで20年が経過しました。
この岩盤崩落事故では、路線バス1台、乗用車1台が巻き込まれ、20名の尊い命が失われました。

2009_08140321.jpg
▲ 現豊浜トンネル (2009年7月撮影)

この事故が発生した当時、私はまだ1歳でしたから、当時の状況などはまったく記憶しておらず、事故後に詳細については知ったことになります。

今日は、多くのテレビ局が豊浜トンネル崩落事故から20年に関するニュースを報じていました。
遺族の方々の高齢化がすすみ、豊浜トンネル古平側坑口近くに設置されている慰霊碑の維持管理が、今後の課題になりそうです。

この豊浜トンネル崩落事故については、私の大学の講義などで技術者倫理の問題として取り上げられる機会が多いです。
私もこの事故についてプレゼン発表する機会があり、色々な文献調査を行いました。

この崩落事故では、多くの原因が考えられています。
岩盤内に地下水が浸透、地下水圧が作用し岩盤の亀裂が進展していたこと、また、トンネルが崖錐部(岩屑などの不安定地盤)を通過していたこと、さらにトンネル中心線が等高線に対し斜交(約39度)していた(トンネル設計においては、トンネル中心線は等高線に対しできるだけ直交に近くする事が望ましい)ことなどが、崩落原因として考えられています。

この事故に対しては、「予見可能性」について述べられることが多いですが、実際のところ、この事故を予見することは非常に困難であったと思っています。
原因の一つに「岩盤の亀裂進展」があると述べました。 岩盤亀裂の進展具合を監視していれば、もしかするとこのトンネル崩落を予見することは可能だったかもしれません。しかし、亀裂の進展具合を目視で判断することは不可能ですし、点検対象のトンネルは膨大な数あるわけですから、そこから事故を予見することは現実的に厳しいです。

さらに、「トンネルが崖錐部を通過」、「トンネル中心線が等高線に斜交」などの問題も指摘されていました。
確かに、坑口の設置場所はあまりよくなかったのかもしれません。また、崖錐部は先述の通り不安定な地盤なので、トンネルを通す地盤としては不適当だったのかもしれません。
私はトンネル設計の専門的知識が無いので、詳しいことはわかりません。ただ、設計において不確実な要素は取り除くべきだとは思いますから、もしかすると、さらに良い設計案というものがあったのかもしれません。
とはいっても、多方面から検討をしたうえでこのルートが最適とされているのでしょうから、設計時点では大きな問題ではなかったのでしょう。

どちらにしても、豊浜トンネル崩落事故での予見可能性は、低かったのではないかと、個人的には考えています。


現在、わが国は多くの問題を抱えていますが、社会基盤施設も同様です。それが「老朽化」。
日本国内にある橋梁のうち、建設後50年を経過する橋梁の割合は、平成25年で2割程度ですが、10年後の平成35年には4割を超え、20年後の平成45年には6割を超えるとされています。
さらに問題なのが、その大部分を地方自治体が管理しているという点です。
実態として、町の約5割、村の約7割で橋梁に関する知識を持った土木技術者が存在しておらず、橋梁点検がまともにできていません。さらには橋梁に関する設計資料が消失しており、その橋がどのような構造形式で、いつ作られたのかが全くわからないといった自治体もあり、非常に大きな問題となっています。

この豊浜トンネル崩落事故のような悲惨な事故を起こさないためにも、今後の日本はインフラの維持修繕に関する現状の課題を克服する必要があるのだと思います。
私自身も、大学院に進学し、卒業したあとは土木技術者としてこの問題に直面することになりますから、他人事ではない、と考えています。

豊浜トンネル岩盤崩落事故から20年。
この事故を無駄にしてはならないと、改めて認識する機会になりました。
スポンサーサイト
プロフィール

yu1148

Author:yu1148
北海道と道路と自転車好きのyu1148のブログ。「北海道路」

メインのサイト「北海道自転車・道路探索」こちらです。
http://douro21.web.fc2.com/

最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

東北地方太平洋沖地震の募金
カウンタ
ブログ内検索
RSSフィード
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。